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2020年07月17日
不動産業界・宅建業法についての記事

『その建物の解体大丈夫ですか?アスベスト飛散防止が強化されます』

突然ですが、皆さんはアスベスト(石綿)はご存じですか?何となく聞いたことあるという方が多いと思いますが、実は建物を所有している方・事業用店舗などを賃借されており改装を行う方にとっては無関係ではないのです。

不動産契約でも、建物の石綿使用調査結果の記録に関する事項が重要事項説明として義務づけられています。実は5月29日に改正大気汚染防止法が参議院本会議で可決、成立され、アスベストに関しての規制が強化されます。これから建築を行う方・建物を解体する方へは影響のある話になります。

アスベスト(石綿)とは何?

アスベスト(石綿)は天然の鉱石のことで、熱に強い性質を利用し、色々な用途で使用されてきました。特に熱に強い利点を活用し、建物が火事にならないように、建物の材料として使用され、ビルの鉄組みに巻き付けたり、天井や壁の材料に混ぜたりして使用をされていました。

アスベストの繊維は目に見えないぐらい細く軽量なのですが、のちに空中に飛散したアスベストの繊維を長期間大量に吸入すると、人の肺に入ると15~40年の潜伏期間を経て、肺がんや悪性中皮種などの病気を引き起こすおそれがあり、身体に害があることがわかりました。

上記により、日本では1975年9月にこれから新しく作る建物には吹き付けアスベストを使用は禁止とされる法律ができました。

現状では使用されてませんが、古い建物には、まだアスベストが多く残っています。アスベストを使用していた時代の建物を壊したり、修理をしたりする時はたくさんのアスベストが飛ぶ可能性があり、非常に危険です。

また、使用されていた時期から判断した資料によると、アスベストを使用していた建築物の解体は、2020年頃にピークを 迎えると予測されています。

どうしたらいいの?どう判断するの?

ご自身の所有されている建物にアスベスト(石綿)が使用されているかもしれない。ただ、そんなのプロじゃないしわからない・また少し解体したぐらいなら大丈夫じゃない?と思われるかもしれません。

ちょっと待ってください!もし建物の老朽化で破損や地震で倒壊が起こった際、あたりに大量のアスベストが飛散してしまうことになります。その結果ご自身だけでなく、近隣の住民や多くの人の健康を害してしまう可能性のある怖いことなんです。

ではどうしたらよいのか?
関係者ではない限り、アスベストが使用されているかわからないという方も多いと思います。そこでいくつかの判断材料があります。

一番は建物の築年数からの判断です。

実は、アスベストは段階を経て規制が厳しくなっていった経緯があります。
①1975年⇒アスベストの含有量が5%を超えるものの吹き付け作業の禁止。
②1995年⇒含有量が1%を超えるものの吹き付け作業の禁止。
③2004年⇒含有量が全体の重量の1%を満たさないクリソタイル(白石綿)以外の製造、輸入、提供、譲渡、使用の禁止。
④2006年⇒アスベストの含有量が重量の0.1%を超えるものの製造、輸入、提供、譲渡、使用が禁止。

築年数が古ければ古いほどアスベストが使用されている可能性は高いと思ってください。上記①~④の前にご所有の建物を建築された方、注意が必要です。

また、アスベストは建物すべてに使用されているわけではなく、使用されている可能性が高い箇所というのが、いくつかあります。
<使用されている可能性が高い部分>
屋根(スレート瓦)、外壁(サイディング外壁(※塗り壁ではなく、外装材を貼るタイプの外壁)や波板)、内装材(ケイ酸カルシウム板やパーライト板等)、断熱材(配管・ダクトに巻かれた断熱材)、吹付け材(耐火材として利用された吹付け材)

全てにという訳ではないと思いますが、ご所有の建物の築年数がアスベストを使用していた時期に当てはまった場合は、上記使用されている可能性が高い部分を疑ったり、設計図書で調べたり、専門業者に確認を行うという方法で、アスベストの使用の有無を確かめることができると思います。

強化された改正大気汚染予防法

今回の改正法で、一番大きいのことは、今までは規制対象となっていないレベル3と呼ばれている飛散性が低いとされているアスベスト含有建材も、作業基準を設けて規制をされます。よって全てのアスベスト(石綿)含有建材が規制対象となることになりました。これにより、規制の対象となる解体工事は、これまでの年間およそ1万6000件だったのが、最大で年間およそ32万件にまで増える見込みのようです。

なぜ全てアスベスト含有建材が規制対象になってのでしょうか?
実は、これまで規制対象ではなかったアスベスト(石綿)含有建材についても、不適切な除去を行えば、アスベストが飛散することが明らかになり、解体工事前のアスベスト使用の有無の見落としや除去作業時の取り残しがあるといった事例が多くあったです。
そういった現状があり、今後の石綿飛散防止の在り方について議論され、今回の一部改正を行うことになったのが背景です。

今回の改正法では、他にも

◎建物の解体・改修前に工事業者が石綿の有無を調べた後、その結果をほぼすべての建物について都道府県などへ報告・記録の作成・保存などを義務付ける。調査方法も法定化される。
※2022年から義務化されることになっていて、今後1年以内に環境省が省令を改正し、報告を求める建物の規模などを定めるそうです。

◎違法な除去作業への罰則も強化。石綿が飛散しないよう作業する空間をシートで覆 うなど規定の方法で除去しなかった業者には、3カ月以下の懲役か30万円以下の罰金を科す。

◎都道府県等による立入検査対象が拡大される。

等も改正事項としてあります。

対象建物が増える見込みから、環境省などは調査や工事が適切に行われるようアスベストについて知識を持つ人材の育成も進めることにしています。

まだ参議院本会議で可決・成立した段階であり、施行日は決まってませんが、今後は施行日に向けて、将来の規定に見合うような対応の切り替えに、アスベスト専門業者さんも動き出すと思われます。

もしご自身の所有されている建物にアスベスト(石綿)が使用されている可能性を感じた場合は、専門業者さんへご相談することをお勧めします。
ご所有の建物の建替え・修理の際などはくれぐれもお気を付けください。

環境庁HP大気汚染防止法の一部を改正する法律案に関するページ
 https://www.env.go.jp/air/post_46.html

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